翌朝、早々にチェックアウトしてホーチミンに向けて出発した。
ムイネーとホーチミンはほとんど同じ緯度に位置していて、まっすぐ西へ進めば到着する。
日差しと気温の高さが厳しく体力を消耗しやすく、こまめに休憩を取らないと急に倒れてしまいそうだ。
ちょうど日が沈みかけたころホーチミンの街に入った。
郊外から中心地へ近づくにつれて交通量が増え、やがて渋滞に変わっていった。
街中の道路はハノイのようにバイクで溢れかえっていて、ホステルに到着するのにやたらと時間がかかって、着いた頃には辺りは真っ暗だった。

予約したホステルは繁華街より北側の住宅地にあり、夜はかなり静かだった。
入口でバイクを駐車していると、「日本人ですか?」と、2人組の日本人女性が話しかけてきた。
彼女たちもこのホステルで知り合ったらしい。
ちょうど今夜は他のゲストや従業員と共有スペースで宴会していて、俺も混ぜてもらった。
そこで出会ったラトビア人のTは、3ヶ月前からこのホステルで働いていて、まだホーチミンを出ていないらしい。
働きながら旅するプロの旅人だ。
モロッコで詩を売りながら生活していたとか、今はインドで暮らしているとか、彼の話が面白くて、その日は3時くらいまで話し込んでしまった。
明日は大晦日で、ホステルのみんなで繁華街へカウントダウンしに行くことになった。
夜更かししたせいで、翌日起きたときには既に12時を回っていた。
ロビーへ行くとTが受付で普通に仕事をしていて驚いた。
昨日3時まで飲んでいたのに、6時から勤務していたらしい。

俺はお腹が空いていて、コーヒーも飲みたかったのでどこか知っているかと聞くと、13時にシフトが終わるというので一緒に行くことにした。
ベトナムのおじさん達はみんな朝から缶ビールを飲んでいるらしく、「お前も郷に入っては郷に従え」と仕事を終えシャワーから出てきたTに缶ビールを渡された。
飲みながら近くにあるバインミーの店へヴィーガンバインミーを食べに向かい、その後カフェでアイスコーヒーを飲んだ。
もういっぱい飲もうと言われ、売店に寄って帰りながら一杯。ホステルに戻ってまた一杯飲んだ。
そのままロビーのソファで眠ってしまい、目覚めた頃にはもう太陽は沈みきっていた。
21時になってGrabでタクシーを3台手配して10人くらいで繁華街へ向けて出発した。
タクシーに乗り込む直前Tに気合を入れろとまた缶ビールを渡された。
道路はバイクで埋め尽くされて、大渋滞していた。
ホステルから繁華街のホーチミン一区は15分くらいの距離だが、結局一時間掛かった。
歩いたほうが早いと思ったが、歩道までバイクが走っていたので歩ける状態じゃなかった。

とりあえず入れそうなバーを見つけて、0時まで時間を潰すことにした。
カウントダウンの5分前くらいに店を出てると、通りはさっきよりも更に人が集まっていて、はぐれないようにみんなで固まって歩いた。
カウントダウン会場から通りを曲がったところで花火が上がっていたが、人が多すぎて進めなかったのと、周りがビルだらけで、轟音だけが響いていた。

新年を迎えると有名なブイビエン通りへ向かった。ベトナム版のカオサンロードみたいだ。
カウントダウンを終えて帰ろうとする人たちで、道路は来たときより更に混雑していた。
しばらくはタクシーも呼べないだろうし、乗れたとしても街からは出られないだろう。
ホテルの屋上のバーを見つけて、通りを行く人々を眺めながらみんなしばらく飲み続けた。

結局夜が明ける頃にホステルに戻って、それから昼まで眠った。

コメント